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為了慶祝我沉迷ALI十年,放個赤い靴と秘密の呪文的翻譯(並沒有關聯

依據網路上的日文文本和英文翻譯再自己譯的中文,可能有理解錯誤或個人的口癖,如果發現請盡管鞭打(?)我,感謝。 

 

【Fantasia朗讀劇場】

【紅舞鞋與秘密的咒語,出自薔薇美與百合寧不可思議的旅館】

逢魔蛾旅館的沙龍裡,英國古董造型的落地鐘,指針永遠指著三點,據說是從某貴族宅邸來的。雖然是很古老的桃花心木鐘,但絕對不是壞了,長針還能繞著圈轉動,短針卻一直指著阿拉伯數字3,每過一小時,時鐘便會鳴響三聲。

有陽光的時候,沙龍便一直是下午三點,餅乾和茉莉花茶的甜美香氣充盈整個房間,就像是童話故事的糖果屋一樣。當太陽西下,沙龍便一直是深夜三點,古老燈飾的光芒像美麗亡靈一般漂浮著,變成了莊嚴的酒吧。彎腳桌上,擺著修道士所釀造,綠色的不老不死酒,只倒給來訪、被選中的旅客。

今天黃昏,也是沙龍從下午三點,轉變成深夜三點的時候,西邊的天空,正試著吞下太陽公公的橘色鞋子,蝙蝠醒來前的一小段時間,可以聽見烏鴉的鳴叫聲,在窗邊沙發上打瞌睡的灰貓,睜開一隻眼睛打哈欠。再過不久,世界便會進入逢魔時刻。

「唉...都沒有客人,得想個辦法讓生意興隆啊ーー」

如此咕噥道的是,身穿黑色天鵝絨連身裙,圍著白色荷葉邊圍裙,彷彿是女僕打扮一樣的薔薇美。她正撫摸著灰貓,看向逐漸變暗的窗外。

「我都不知道妳有這麼關心生意呢。」

這樣回應的是,身穿一樣的黑色天鵝絨連身裙,圍著蕾絲圍裙,彷彿是女僕打扮一樣的百合寧。她正敲打著落地鐘鐘面的玻璃。

兩個人誰是誰?誰是真實存在的?誰是鏡子映出的影像?真的是有兩個人嗎?或只是一個人分成了兩個?兩個人是無法清楚分辨,長相完全一模一樣的雙子少女。長長的捲髮,連蓬鬆的程度都相同,能分辨她們的方法,大概只有胸前的裝飾品了吧,也就是正如名字一樣,有著「薔薇」和「百合」的胸針。

而這裡,逢魔蛾旅館是兩人共有的,薔薇美與百合寧,是這間旅館的老闆兼經理。

欸?像是女僕的女孩子,能勝任旅館經理的工作嗎?請不用擔心,因為這裡是特別的、不可思議的旅館。

「好了美美,不要再摸魚了,妳也來幫忙打掃啦!!」

「如果像愛乾淨的寧寧一樣每天打掃的話,灰塵連停留的時間都沒有呢~對吧,灰貓?」

「就算牠是灰色的貓,也不要叫牠『灰貓』啦,聽起來好像灰塵做的貓一樣,明明就有Polinail(ポリネイル)這麼好的名字。」

「小Poli,因為寧寧只會打掃,所以你喜歡的小老鼠都不來呢~」

唉呀唉呀,旅館裡怎麼可以有老鼠呢?但是,就算這間旅館有老鼠,也沒什麼客人會在意,畢竟,會拜訪特別場所的客人,總會是特別的人。有時候,甚至連人類都不是。

在都市的某個角落,安靜的小巷子深處,四周一直都是陰暗的,從薄霧中,能看見藤蔓叢生、高聳的磚牆。圓形的小窗裡,灰色的貓正嗤笑著,在那旁邊,是堅固的梶木門,任誰都不會聯想到這裡是一家旅館吧?然而,客人卻渾然不覺地便迷路到此,登上有鐵製扶手的石製階梯,等他們注意到的時候,已經轉動了黃銅門把,每位客人都帶著心靈的行李。

是的,就像這樣,在這個時候。逢魔蛾旅館的門,就是黃昏和夜晚的交界。只有在逢魔時刻,才會開啟。

「客人來了!」

薔薇美與百合寧急忙脫掉圍裙,跑出二樓的沙龍,一起奔下樓。玄關大廳的天花板上,蝴蝶造型的燈飾投映出溫柔的藍色光芒。

「歡迎光臨逢魔蛾旅館,我們一直恭候著您。」

脫下圍裙的兩人,看起來已經不像女僕了,而是成為迎接客人的黑衣魔女,不對,是女老闆。

「在等待我?」一個細小、微弱的聲音問道。

今晚的客人,是一位頭髮梳成團子頭、臉蛋小巧又瘦弱的少女,比雙子年少四歲左右。

「那是當然!來,請到這裡。」

「讓我為您保管斗篷。」

兩人覺得少女的身高有些奇怪,脫下斗篷後,便知道了原因。

原來,少女用腳尖站立著,就像芭蕾舞者一樣,而淺色的裙子上,疊了層層薄紗,就彷彿是吉賽兒的衣服。不對,簡直就是真正的芭蕾舞者,當然腳上也穿著色丁製的芭蕾舞鞋,是鮮紅、艷麗的紅舞鞋。

「不知何時,眼前出現了一扇像夢之國的門,注意到的時候,我已經把門打開了。」少女以微小的音量道。

「我們知道您會來訪喔。首先,要不要來杯酒,不是,來杯茶呢?」

帶領少女前往二樓的沙龍時,薔薇美與百合寧一如往常,在客人面前用雙子的心電感應對話。

「簡直就是安徒生的『紅舞鞋』呢--」

少女就像是在跳舞般步上階梯,偶爾會抬起一隻腳旋轉,下半身十分輕巧,就像優雅的首席舞伶一樣,但臉蛋和上半身,卻看起來非常、非常疲憊。

當她們坐在一起喝茶時,少女的兩條腿依然踮著腳尖,不停地舞動著。雙子知道這不是少女自己的意志,因為她全身上下只有兩條腿,像是上了發條機關的人偶一樣。

「我的雙腿一直不由自主地舞動著,讓我無法入睡。我想如果這裡是旅館的話,一定能讓我睡著吧?這雙鞋子...卡在我的腳上了,沒辦法脫下來。」

「妳看,果然像我說的,跟紅舞鞋的故事一樣。」

「因為脫不掉舞鞋,就把腳踝...」「把腳踝...」

「砍掉!?」

茉莉花茶的香氣讓少女放鬆了一點,她開始娓娓道來。

「我無論如何都想當上芭蕾舞學校發表會的主角,但是有位孩子跳得比我還要好,我心想如果她能受傷就好了,結果...」

「在她的舞鞋放黴菌嗎?」

「把她從高處推下去嗎?」

「只是想想而已,那個孩子的腳卻真的受傷了。能當上主角,我真的非常開心,好像在做夢一樣,因為不想從夢裡醒來,所以結束後,我還是一直一直跳著舞,每當旋轉的時候,就會覺得如此普通的我,也能變得這麼特別。」

「我能理解,這個年紀的女孩子都會這樣。」

「是會想效仿的年紀呢。」

「沒人認為是妳的錯哦。」

「但是我再也停不下來了,鞋子脫不掉,一定是因為我是個壞孩子,覬覦那孩子的服裝(角色)。」

說到最後,少女開始哭了起來,薔薇美與百合寧就像姊姊一樣,抱住了她纖弱的肩膀。

「妳並沒有做錯任何事哦。」

「身為主角的妳跳得很好哦。」

彷彿可以看見少女可愛的身姿,在小型歌劇院的舞台上,以明星(étoile)的身分跳著主角的舞步。纖細的雙腿和手臂伸展開來,就像妖精一樣。啊啊,那該有多可愛啊,兩人被少女純粹的心打動,心想:「好想擁有像這樣的芭蕾舞者自動人偶啊。」

「自動人偶!?」薔薇美與百合寧互相看向對方,真不愧是雙子,幾乎同時想到了好主意,可以將不停舞動的紅舞鞋,從少女的腳上脫下的方法。

或許是茉莉花茶的作用,少女在眼淚濡濕睫毛的狀態下睡著了。兩人將那嬌小的身體抱往客房,在那之間,紅舞鞋依然不停地舞動著,好幾次差點踢到她們。將少女放上床鋪後,雙子原本打算用緞帶將她的雙腳綁起來,但實在太可憐了,便改在床鋪下放了許多坐墊,如此一來,就算摔下床也不會痛。

之後兩人便前往地下室,那裡放置了壞掉的椅子呀、破碎的鏡子呀或行李箱之類的東西,總而言之,放了很多廢棄物。在被遺忘的物品沉睡的地下室,累積了不少時光的灰塵,愛乾淨的百合寧平時不太想進到裡面去,但現在非得進去不可,必須從廢棄物中找出某樣物品才行。就在天色逐漸變亮,月光漸漸消失的時候,薔薇美大喊:

「找到了!」

那是雙手就能捧住的音樂盒,將螺鈿工藝裝飾的美麗蓋子打開的話,會看見裡面有個小小的人偶。原本,那個人偶會伴隨著音樂旋轉起舞,但是......

「這是......寧寧弄壞的吧~」

「才不是我,是妳弄壞的。」

雙子一路爭執著回到了沙龍,並將寶石一樣的音樂盒放在桌子上。

「別擔心,一定還能動的。」

兩人拿音樂盒要做什麼呢?

百合寧拿出紅色顏料,開始塗起人偶的小腳。沒錯,就像穿了紅舞鞋一樣。穿著蓬蓬裙、抬起手臂的芭蕾舞人偶,看起來就像是那名少女一樣,輕巧地站立在音樂盒中。薔薇美轉動起音樂盒旁邊的發條。

「為了代替那孩子,這個人偶......」

「必須舞動起來才行!!」

「快,動起來!」

「唔...得念點什麼咒語才行...」突然,百合寧大叫:「BArADiPArADicA!」

薔薇美被嚇了一跳,說:「那...那是什麼?妳說什麼?」

「我在打掃落地鐘的時候,找到了一本古書,這是裡面寫的咒語哦。」

「那該不會是...祖母遺失的魔法書吧?」

「好啦妳也一起念,來...」

「BArADiPArADicA!」

「動起來了!」

「跳起舞了!」

在恢復運轉的音樂盒裡,穿著紅舞鞋的人偶變成了自動人偶,永遠地旋轉舞動下去。兩人感覺得到,床上少女的雙腳已經變得赤裸了。直到太陽升起,下一次的逢魔時刻來臨前,就像在搖籃裡的嬰兒一樣,少女安穩和緩地熟睡著。

「非常感謝妳們,兩位姊姊是魔法師嗎?」少女微笑著說。她穿著水藍色的鞋子,取代已經消失的紅舞鞋,雖然是百合寧的舊鞋,少女依然開心地旋轉,用芭蕾舞的方式道謝。

「總有一天,要成為出色的芭蕾舞者哦!」

「是!我會以自己的實力當上主角!」

於是,少女揮舞著手,消失在夜色中。

「那孩子可能某天會再穿上紅舞鞋,站上真正的歌劇院舞台呢。」

兩人抬起頭,看向在夜空中閃耀的繁星。

「話說回來,那個咒語...」

「啊,那個啊?其實是我臨時想的啦。」

「果然!我就奇怪奶奶的書怎麼會在時鐘裡,又沒有發出奇怪的聲響。」

「但是有用對吧?」

「也是呢。」

「我們可能真的是魔法師呢。」

「可能是未來的魔女呢!」

這次是什麼樣的客人來造訪逢魔蛾旅館呢?

下次,說不定就是您哦。

 

 

※標點符號是我自己打的,可能有錯誤。

【ファンタジア朗読劇場】

【薔薇美と百合寧の不思議なホテルより、赤い靴と秘密の呪文】

逢魔蛾ホテルのサロンに置かれた、イギリスアンティークのホールクロックは常に3時を指しています。元はどこかの貴族の館にあったと言う、古いマホガニーの時計ですが、決して壊れているわけではありません。長い方の針はぐるりと動くけれど、短い針はアラビア数字の3に張り付いたまま。1時間おきに、鉦の音が3つ鳴ります。

陽の光のある間、サロンはずーっと午後3時。甘いクッキーとジャスミンティーの香りが部屋中に立ちこめ、まるでおとぎ話のお菓子の家のよう。日が暮れた後はずーっと午前3時、古いランプの灯が美しい亡霊のように浮かんだ、厳かなバーになります。猫足のテーブルには、修道士の造った不老不死の緑のお酒。ここに訪れた、選ばれし客人のためにだけ注がれます。

今日もまた、サロンの午後3時が、午前3時に変わり始める夕暮れ時。西の空に、おひさまのオレンジ色の靴が、飲み込まれようとしています。コウモリたちが目覚める前に、ちょっぴり間の抜けたカラスの鳴き声がして。窓際のソファーでうとうとしていた灰色猫が、片目を開けてあくびをしました。もうすぐ、世界は逢魔が時に包まれます。

「はあ...お客も来ないし、なんだかこのところ商売上がったりだわー。」

そう呟いたのは、黒いビロードのワンピースに、白いフリルのエプロンを、まるでメイドのような格好の薔薇美、灰色猫を撫でながら暮れなずむ窓の外を見ています。

「あなたがそんなに商売熱心だったなんて、知らなかったわー。」

そういったのは、こちらも同じ黒ビロードのワンピースに、レースのタブリエをつけて、まるでメイドのような格好の百合寧、ホールクロックの文字盤のガラスに叩きをかけているところです。

2人はどちらがどちらで、どちらが本物で、どちらが鏡に映った姿で、本当にふたりいるのか、一人が分かれているのか、わからなくなるくらい、そっくりな双子の少女です。長い巻き毛のふわふわ具合も同じ、見分けるには胸についた飾りしかないでしょう、それは名前の通りの「薔薇」か「百合」のブローチ。

そしてここ、逢魔蛾ホテルは2人のもちもん。薔薇美と百合寧は、このホテルの経営者兼支配人なのです。

えぇ?メイドみたいな女の子たちに、ホテルの支配人が務まるのかですって?心配ご無用、ここは特別な不思議なホテルなのですから。

「さぁべべ、ゴロゴロしてないで、あなたも掃除手伝ってよっ!!」

「きれい好きのネネみたいに、毎日お掃除してたら、埃が溜まる間もなくってよ〜ねえ、灰猫?」

「いくら灰色の猫だからって、"灰猫"って呼ぶのやめてよ、灰の猫みたいじゃないの、ちゃんとポリネイルって名前があるんだから。」

「ポリーちゃん、ネネがお掃除ばっかりするから、あなたの大好物の子ネズミちゃんもやって来ないわね〜」

あらあら、ホテルにネズミだなんて持ってのほか、でも、このホテルにネズミが出たとしても、気にするお客さんはあまりいないかも。特別な場所に行ってくる客人は、やはり特別な人たちばかりなのです。時には人でない場合も無きにしも非ず。

都会のどこかの片隅のあるひっそりとした裏路地の奥、辺りはいつも薄暗く。靄の中に見えてくるのは、蔦の絡まる高いレンガの壁。丸い小窓には、灰色猫が笑い。その横に、頑丈な梶の木の扉。誰もここがホテルだなんて思わないでしょう、けれど客人は知らぬうちに迷い込み。鉄の手すりの石段を上り、気がつけば、真鍮のドアノブを回しているんです。それぞれの、心の荷物を抱えて。

そう、ちょうど、こんな時間。逢魔蛾ホテルの扉は、夕暮れと夜のちょうど境目。逢魔が時にだけ、開くのです。

「お客様だわ!」

薔薇美と百合寧は、急いでエプロンを外すと2階のサロンを出て、並んで階段を降りていきました。エントランスのロビーの真上には蝶の形のランプが灯り、柔らかな青い灯りを投げかけています。

「ようこそ、逢魔蛾ホテルへ、お待ちいたしておりました。」

エプロンを外した2人は、もうメイドには見えません、黒衣の魔女、いいえ、女主人となりお客を迎えます。

「あたしを待っていたの?」か細い小さな声がします。

今夜のお客は、髪を引っ詰ておだんごに結い上げた、顔の小さな、やせっぽちの少女でした、2人より4つくらいは年下に見えます。

「もちろんよ!さぁ、こちらへ。」

「マントを預かりしましょう。」

2人はこの少女の背丈が妙に高いの不思議に思っていましたが、マントを脱がせたときその理由が分かりました。

なんと少女は、バレリーナのようにつま先で立っているのでした。淡い色のスカートは、薄いチュールを重ねた、まるでジゼルの衣装のような。いいえ、ほとんどバレリーナそのものでした。もちろん足にはサテンのトウシューズ、それも赤い赤い靴。

「いつのまにか、目の前に夢の国のような扉があって、気がついたら開けてたんです。」小さな声で少女は言いました。

「あなたが来ることをちゃんとわかっててよ。まずはお酒じゃない、お茶でもいかが?」

2階のサロンへ案内しながら、薔薇美と百合寧はいつもお客の前でするように、双子テレパシーで会話をします。

「これってまるで、アンデルセンの赤い靴ねー」

少女を踊っているかのように階段を登ります。時々回転したり、片足をあげたり、下半身はとても軽やかで、まるで優雅なプリマなのに、顔も上半身も、とてもとても疲れきっているようでした。

一緒に座りお茶を飲む間も、二本の足はつま先を上げせわしなく動いています。少女の意志とは関係ないことがよくわかります。足だけが、ぜんまい仕掛けのお人形のよう。

「ずっと足が勝手にを踊ってしまって、眠れないんです。ここがホテルなら、きっと眠れるかしら。この靴…張り付いてしまって、抜けないんです。」

「ほらやっぱり、赤い靴も話どうなるんだっけ。」

「脱げないから足首を…」「足首を…」

「切るっー?」

ジャスミンティーの香りに少しほっとした、上手で少女は語り始めました。

「バレエ学校の発表会で、どうしても主役を取りたかったんです、でもあたしより上手な子がいって、その子が怪我をすればいいなって思ったんです、そして…」

「トゥシューズにカビをを入れたとか?」

「突き落としたとか?」

「思っただけなのに、本当にその子は、足を怪我しちゃったの。主役踊れてとてもとても嬉しかったわ、夢みたいだったの、だから夢が冷めないように、舞台が終わってもずっとずっと踊っていたの。バレエ踊る一回、何どれもない自分でも、特別な女の子に、立ったような気がした。」

「分かるわー、年頃の女の子だもの。」

「ご真似年頃よねー。」

「誰もあなた事じゃなくってよ。」

「でも止まらなくなってしまったの、靴が脱げないの。きっとあの子の服を望んだ、私が悪い子だからだわ。」

とうとう少女は泣き出してしまいました。薔薇美と百合寧はお姉さんのような気持ちになって、華奢な肩を抱きしめました。

「あなたは何も悪くないわー。」

「立派に主役踊ったんだし。」

小さなオペラ座の舞台でエトワールとして主役で踊る、可憐な少女の姿が見えてくるのでした。足も腕もほっそり伸びて、妖精のよう。あぁ、なんて可愛らしいんでしょう。2人は少女の純粋な心に打たれつつ、こんなバレリーナの自動人形が欲しいわ、なんて思ったりしています。

「自動人形!?」薔薇美と百合寧は顔を見合わせました、さすが双子です、まったく同時に、とてもいいこと思いついたのです。少女の足から、舞い続ける赤い靴を脱がせる方法。

ジャスミンティーのせいか、少女は涙でまつ毛を濡らしながら眠ってしまいました。2人は小さな体を抱えると、客室に運びます。その間も赤い靴は動き続けているので、何度も蹴られそうになりました。ベッドに寝かせた後、足首をリボンで結こうとしましたが、なんだか可哀想になり、代わりにベッドの下にたくさんクッション置きました。これなら、もし落ちても痛くないはず。

それから二人は、地下室へと降りて行きました。そこには壊れた椅子や割れた鏡やトランク、ともかく、がらくたがいっぱい。忘れられた物たちが眠る地下室は、時の埃が積もっています、きれい好きの百合寧は、あまりここにも立ち入りたくないのですが、今はそんなことは言ってられません、がらくたの中から、あるものを探さなくてはならないのです。天井近くの明かり取りデー、月の光が白く溶け出した頃、薔薇美が叫びました。

「あったわー」

それは両手に乗るほどのオルゴールの箱、螺鈿の施された美しい蓋を開けると、中には小さな人形が入っていて、本当なら音が立って、その人形が、くるくる回りだすのですが...

「これ…ネネが壊したのよね〜」

「私じゃなくて、壊したのはあなたよ。」

言い合いながらサロンへ戻り、宝石のような箱をテーブルの上に置きました。

「大丈夫、きっと動くわ。」

2人はオルゴールをどうするのでしょう?

百合寧は赤い絵の具を持ってくると、小さな人形の足を塗り始めました。そう、まるで赤い靴を履かせるように。チュチュの衣装で、腕を上げたバレリーナ人形は、あの少女にそっくりです、オルゴールの中に、そっと立たせました。薔薇美が箱の横のねじを巻きます。

「あの子の代わりに、この人形に…」

「踊ってもらわなくちゃ!!」

「さあ、動いて!」

「うーん…何かを持ちないでも唱える。」すると突然百合寧が、「BArADiPArADicA!」と叫びました。

薔薇美はびっくりして、「なぁ…何それ?! 何なの?!」

「ホールクロックの中を掃除してたら、古い本を見つけたの、そこに書いてあった呪文よ。」

「それってもしかして…グラングランマザーの失われた魔法の書?」

「いいからあなたも一緒に、さぁ…」

「BArADiPArADicA!」

「動いたわっ!」

「踊ったわっ!」

息を吹き返したオルゴールの中で、赤い靴を履いた人形がオートマトンとなって、くるくるといつまでも踊り続けていました。ベッドの中の少女の足が、裸足になったことを、2人は発揮と感じました。おひさまが上がり、次の逢魔が時が来るまで、少女はすやすやとゆっくり眠りました、ゆりかごの赤子のように。

「ありがとうございました、お姉さんたちって魔法使いなの?」少女は微笑みながらそう言いました。もう消えてしまった赤い靴の代わりに、リボンのついた水色の靴を履いています。百合寧のお下がりですが、とても喜んでくるくると回って、バレーの挨拶をしてくれました。

「いつか素敵なバレリーナになるのよ!」

「はい!自分の力で主役を取れるように。」

そして、少女は手を振って、夜の中へ、消えていきました。

「あの子またいつか赤い靴を履くかも、今度は本物のオペラ座の舞台でね。」

2人はしばらく夜空に輝く星を見上げていました。

「ところで…あの呪文だけど...」

「ああ…あれ?実は私の即興なの。」

「やっぱり!!おばあさまの本が時計の中にあるなんて、変だと思ったの、他の音しきのこうや気違いあるまいし。」

「でも聞いたでしょ?」

「そうねぇ。」

「私たち魔法使いかもね。」

「未来の魔女かもね!」

今度はどんなお客がこの逢魔がホテルは訪ねてくるでしょ?

次は、あなたの番かも知れませんね。

 

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